これから、動物愛護団体を探すためにして欲しい4つのことを紹介します。紹介するなかで、私が実際に目にし、耳にしてきた動物愛護団体の話が出てきますが、すべての動物愛護団体が紹介したようなことをしているわけではありませんので、安心してください。けしからんことをしている愛護団体もありますが、多くはペットのために純粋な気持ちで活動している愛護団体です。
●ステップ1 資料集め
動物愛護団体は、電話帳を見ても載っていません(たぶん)。でも、インターネットで検索すると膨大な数がヒットします。自分の居住地域やペットの種類、したい活動(里親探しやAATなど)などをキーワードにして検索し、なるべくヒットする件数を少なくする方が選びやすいと思います。
動物愛護週間にはいろいろなところでペット関連の行事が開催されますので、そういった行事をのぞきに行って、愛護団体を探すことでもきるでしょう。また、安価で広告が載せられるタウン誌には愛護団体が活動予定を広報することもありますので、無料タウン誌をチェックすることも愛護団体を探す1つの方法です。
場所的にも内容的にも惹かれる動物愛護団体を見つけたら、まずは資料を請求しましょう。その団体に参加するのは、資料をもらい、検討したあとです。冒頭でも書きましたが、同じ目的でも活動が違うことがありますので、あなたと同じ目的で希望する活動を行っている団体を見つけるまでは、慎重に検討しましょう。
★収支決算書をチェック
団体の規模にもより用意している資料は変わってくると思いますが、必ず請求して欲しいのが「収支決算書」です。収支決算書、またはそれに変わるお金の出入りがわかる書類を持っていない団体というのは、金銭面で怪しい団体であるおそれがあります。
十数年前のことになりますが、私は、当時住んでいた場所の近くで活動をしていた犬の愛護団体さんに資料を請求したことがあります。会の案内資料だけが送られてきたので、金銭面がわかる資料を再請求したところ、「後ほど送ります」と言われたまま送られてきませんでした。
私が問い合わせをした数年後に、この犬の愛護団体の主催者さんは敷地の広い、大きなおうちに引っ越されました。「犬をもっと保護するため」とのことでしたが、主催者さんはいつの間にか仕事を辞めており、団体のお金でそれ以前よりも大きなお屋敷で犬と暮らすようになっていたのです。
この頃には私もいろいろな情報を得る術を身に付けていましたので、この団体の収入が主催者さん個人の収入として使われていることを聞いていました。また、それ以外にもこの主催者さんのいろいろな情報を耳にしており、問い合わせをしたときに参加していなくて良かった、と思ったものです。
たった紙切れ1枚の収支決算書を請求したおかげで、私は愛護活動という名のもとにこの主催者の利益を稼ぐための活動をしている団体に参加しないで済みました。
これ以来、活動の場を探している方には、活動案内だけでなく、収支決算書も請求するように私はアドバイスしています。みなさんも、気になる愛護団体があっても参加する前に資料を請求し、信じられる団体かどうかチェックするようにしてください。そして、気になるところがあったら納得できるまで質問するようにしてください。
★可能ならば役員名簿や規約もチェック
個人情報であることを考えると請求しても見せてもらえない気がするのですが、もし可能でしたら、愛護団体の役員名簿も見せてもらうといいでしょう。決算書の上では問題なく見えても、同じ人が何年も同じ立場をしている団体というのは、活動費を着服されやすくなっているおそれがあります。
名目上は問題なく見える支出項目の内訳に役員さんのお手当てが数百万入っていた、なんて団体がありました。この団体の場合は、個人の着服で団体も被害者だったのですが、このように、収支決算書はしっかり見えても団体の中の個人が悪事をしていることもあるんです。もし見せてもらえるならば役員名簿を見せてもらい、役員の方が何年間ぐらい役員をしていらっしゃるのか確認しましょう。
会員向けの規約を作っている団体もありますので、もしあるならば規約も見せてもらいましょう。でも、名簿同様、会員になってからでないと見ることができないものかもしれませんので、見れない場合には、会員になってから忘れずにチェックしてみてください。
動物愛護活動というのは、時間はかかるけど収入にはならない活動がほとんどです。それゆえに生活に困り、生活苦を解決するためにNPO団体を作ったという人もいたりします(NPO団体になるとどこかから活動費がもらえるようになるのかどうか私はわかっていませんが、この団体の場合は、NPO団体になったことで以前より広く広報活動を行うようになり、寄付金を増やすことができたので、そこから生活費が出せるようになったのだと思います)。
もちろん、すべての動物愛護団体が疑わしいわけではありません。けれども、疑わしい団体もありますので、最初は慎重に、疑うぐらいの気持ちで資料を確認するようにしてください。
★雑誌やテレビを100%信じてはダメ 雑誌やテレビで愛護団体が紹介され、その内容から、その団体に参加したいと思う人もいらっしゃると思います。でも、雑誌やテレビを100%信じてはいけません。
昔、とあるペット雑誌に紹介された愛護団体がありました。その雑誌が出版されたあと、その出版社の方と話す機会があったのですが、その団体の方が言われた活動内容と実際の活動内容が違っており、抗議や苦情の電話がすごかったと話されていました。
この愛護団体を私は知っていましたので、きれいなことばかり書かれている雑誌を見たときには、確かに問題になると思いました。でも、愛護団体の人は自分たちのいいところばかりをアピールしたがるものですので、愛護団体の人だけに取材をしていたら事実と異なる内容になってしまうのは当然です。取材が足りないまま記事にしたこの雑誌の出版元も問題ですので、抗議や苦情はしっかりと受け止めて欲しいと思いました。
でも、問題は、この愛護団体のことを何も知らずに記事を見た人への影響です。いいことがたくさん書かれていたからとこの愛護団体に連絡を取り、いっしょに活動するようになってから恐ろしい事実を知ったり、嫌な思いをすることになったりする人がきっといたことと思います。
テレビも同じです。以前、テレビのドキュメンタリー番組だったと思うのですが、前述の犬の愛護団体の主催者を取り上げていた番組を見たことがあります。ものすごくすばらしい活動をしている人という取り上げ方だったのですが、金銭面には触れませんでしたし、主催者が自分のした活動として、ほかの方がした活動について話されている場面もありました。その活動については取材せずに、主催者の話だけを聞いて番組を作られたのだと思いますが、見ていてがっかりでした。
テレビも雑誌も、愛護団体の方だけに取材していることがありますので、取材元が明確になっていない場合には、100%信用するのは危険です。すべてを鵜呑みにせずに、必ず愛護団体への問い合わせや資料請求、活動の見学などをしてから、その愛護団体に参加するかどうかは決めるようにして、自分の努力は希望どおりペットのために使うようにしましょう。
●ステップ2 見学と相談 愛護団体にもよりますが、ほとんどの愛護団体は自分たちのメンバー以外の方が見学に来ることを拒みません。ですので、最初は見学させてもらいましょう。
一言に愛護団体といっても、その活動はさまざまです。捨てられたり飼い切れなくなったペットの保護や新しい飼い主を探す活動をしている愛護団体もいれば、犬のしつけ教室を開催して終生飼養を推進している愛護団体もいますし、講演会や勉強会といった飼い主の勉強の場を提供している愛護団体もいます。
また、メンバーが楽しく活動している愛護団体もあれば、メンバーがほとんど会話せずに活動をしている愛護団体もあります(私は活動を続けていくためには楽しさは必要だと思うのですが、目的を達成することが大事で楽しさは不要だと考える方もいらっしゃいました)。
実際にどんな活動を、どういった人たちが、どういう雰囲気の中で行っているのか、じっくり見学させてもらいましょう。参加するかどうかは、その後決めればいいと思います。
見学するときには、活動している方たちにその愛護団体についてお話を聞かせてもらうといいでしょう。特に大きな愛護団体では、活動している人たちと愛護団体のトップとが離れていて、まったく違う行動(活動)をしていることもありますので、愛護団体のトップの人についても教えてもらうといいでしょう。
★相談して対応を確かめるのも1つの方法です 見学して、話を聞かせてもらっても何か気になることがあったならば、次は相談してみてください。ちょっとだますみたいで嫌な方法なのではありますが、実際に相談してみて始めて知ることもあるかもしれません。
以前、拾った子猫の新しい飼い主を探している人の話を聞いたことがあります。この方は、拾ってしまったものの自分の家では飼えないために新しい飼い主を探していました。けれども、新しい飼い主を探す方法を知るまでに、悲しい経験をしてしまいました。
この方が最初に問い合わせた愛護団体は、「飼い主のいないペットを減らす」ことを目的としている愛護団体でした。この方が保護したけれども自分では飼えないので、と話をすると、「じゃあ動物病院で殺してきてください。そこらへんに捨てないでね。」というようなことを言われたのです。
この愛護団体には、似たようなことを言われた相談者が多くいます。なぜならば、この愛護団体は「飼い主のいないペットを減らす」ことが最大の目的であり、「自分では飼えないから捨てる」行為はなんとしても止めたいのです。「捨てるくらいなら動物病院で殺してきて欲しい」らしいのです。
「飼い主のいないペットを減らす」ための活動は、新しい飼い主を探すことだけではありません。私は勧められませんが、捨てるよりは殺処分という考え方もあるのでしょう。でも、問題は考え方についてではありません。問題は、この愛護団体の活動案内のどこを読んでも殺処分を勧めるようなことが書かれていないことです。
この愛護団体は、活動案内だけで判断すると、新しい飼い主を探す活動をしている愛護団体に思えます。でも、実際には、この愛護団体の窓口に相談をすると、「捨てるよりは殺処分」と言われてしまうのです。だますようで悪いかなぁ、と思っても相談して事実を知ることも大切なのかもしれません。
●ステップ3 寄付の前にすること これまでにも何度か、震災の被災動物への募金活動というのがなされてきました。きっとこの先も、なにか大きな自然災害があった場合には、同じような募金活動はされていくと思います。でも、何も調べずに募金したりしないでくださいね。あなたの募金が確実に被災動物に使われることを確認してから募金するようにしてください。
もう何年前になるのでしょう。阪神大震災のあと、新聞に被災動物への募金を募る広告が載ったことがありました。募金活動の主催者にはけっこう知られている大きな動物愛護団体の名前があり、この広告を見て募金をした方は多かったようです。でも。。。
この広告を出したのは、主催者として名前を書かれた動物愛護団体ではありませんでした。一個人が、愛護団体の名前を騙って、被災動物への募金という名目で、自分のための金集めをしていたのです。いわゆる「詐欺」です。
名前を騙られた動物愛護団体の方がこの方と話し合いをし、募金していただいたお金はすべて受け取って阪神大震災の被災活動に使うことができたそうですが、なぜか詐欺行為で訴えることはありませんでした(私だったら絶対訴えてますけどね)。
新聞や雑誌に掲載された動物への寄付は、寄付する前に電話帳やインターネットでその寄付活動の主催団体の連絡先を調べ、そこに連絡をして確認をとるようにしましょう。広告にある連絡先ではなく、自分で調べた連絡先に確認してください。そして、確認できてから寄付をし、あなたが望んだ被災動物のために寄付金は使ってもらいましょう。
街頭で障害のあるペットを見せたり、たくさんのケージに入れた保護しているとするペットを見せたりして、募金を募っている人も過去にありました。ニュースにもなっていましたので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
目の前に悲しい顔をした弱ったペットがいると、つい募金をしたくなるものだと思います。その気持ちはよーくわかりますが、でも、すぐには募金せずに、募金活動をしている方にそのペットたちの経緯や状況などについて話を聞かせてもらってください。
障害のあるペットを連れているならば、なぜその障害が起きてしまったのかを聞いてください。たくさんのケージで保護したペットを見せているならば、自宅ではそのペットたちはどうしているのか聞いてください。与えているペットフードの種類やかかっている動物病院の名前を聞いてみてください。
ペットを見せて募金を募る段階で私は怪しいと思いますが、嘘偽りなくペットのために募金をしているならば、ペットについて話を聞いたときに疑問を感じることはないと思います。
★物品寄付は活動している人へ 金銭ではなく、ペットフードやケージなどの物を動物愛護団体に寄付しようと思うこともあるかもしれません。そういう場合も、やはり安易に寄付するのはやめた方がいいでしょう。活動している人に寄付したつもりでも、違う人がその方の飼っているペットのために使ってしまうことがあります。
ある動物愛護団体では、その愛護団体の代表と参加して数年目の方とが違う活動をしています。代表は電話対応や講演会、協議会などへ参加する仕事をし、参加して数年目の人たちは捨てられたペットの保護と新しい飼い主を探す活動をしているのです。
この愛護団体では、愛護団体の事務局に送られてくる寄付の品物は、代表をはじめとする数名が自分たちのため(自分が飼っているペットのため)にいただいているそうです。そして、実際にペットを保護し、多くのペットフードなどの物資を必要とする活動会員は、自分のお金でそれらを購入し、寄付された品物を使うことはないというのです。
最初は私もこの話を信じられなかったのですが、似たようなことをしている愛護団体は少なくなく、実際に目にしたこともあります。私が目にしたのは物資ではなく、活動費でした。ある愛護団体で、上の人が使う個人のために使われた経費は認められ、下の人が使う保護動物のための経費は認められない、というものでした。「個人のための経費」なんてものはどんな団体でも認められないものだと思うのですけれどね。。。
もし、あなたがもらったり懸賞に当たったりして不要なペットフードやケージを持っていて、それらを動物愛護団体に寄付したいと思ったら、どうか実際に活動しているところを見に行って、活動している人に寄付の方法を聞いてください。そして、あなたが使って欲しいと思った方が使えるように寄付してください。
●ステップ4 メンバーをチェック 資料をチェックし、見学して現場をチェックし、活動してみたいと思う愛護団体が見つかったら、まずは軽いお手伝い気分で活動に参加しましょう。なぜならば、参加してからわかる問題が潜んでいるおそれがあるからです。次に、私が実際に目にした問題をいくつか紹介します。
★セクハラおやじ 愛護団体の活動の場ではやさしく、親切なおじさんだった人が、何度かいっしょに活動をしたあとに本性を現したことがありました。この愛護団体に参加したばかりの若い女の子をホテルに連れ込もうとしたのです。
この女の子はその事件で愛護団体をやめたのですが、やめる前に連絡をもらい、私は彼女から何があったのかを聞かされました。このおじさんはほかにも問題を起こしていたこともあり、この事件のあとで愛護団体をやめていかれたのですが、その後別の愛護団体で同じようにセクハラ事件を起こしていました。
動物愛護活動は若い女の子が多く参加している活動だと思います。それだけに、よからぬ考えで参加してくる方がいるおそれがありますので、参加メンバーに安心できるようになるまでは、いっしょに活動する人であっても男性メンバーと二人だけになるのは控えるようにした方がいいでしょう(新しく参加してきた女の子には、常にほかの女の子といっしょになるように組んであげる配慮が、愛護団体にも求められているように思います)。
★お付き合いで買えと押し付けられ。。。 新しい飼い主を探す活動をしている愛護団体から犬をもらった人が、そのあとその愛護団体で活動するようになりました。しかし、それは数ヶ月だけのことでした。すごく積極的に活動していたのに、突然ピタッと来なくなったのです。
そして、この愛護団体の上の方の地位にいる方も来なくなり、この愛護団体のトップの人から、悲しい事実が知らされました。上の方の地位にいた方が、新しいメンバーや新しい飼い主になってくださった方に個別に連絡を取り、洋服などの商品を高額で売りつけていたというのです(上の方の地位にいた方は、この愛護団体をやめさせられたのでした)。
愛護団体を利用する人にまで手を伸ばすのは多くないと思うのですが、メンバーに商品を売りつけたりマルチ商法のようなことをしたりするのは、少なくありません。私自身も、ある愛護団体のメンバーの家に招かれ、商品説明を聞かされ、購入をせまられたことがあります(もちろん買いませんでしたけどね)。
愛護団体で活動している人は、ほとんど全ての人が自分の仕事を別に持っています。中には物を売る商売をしていらっしゃる人もいるでしょうし、あまりいて欲しくはないですが、マルチ商法などをしている人もいるかもしれません。そういう人にとっては、あなたは「愛護団体の新しいメンバー」というだけでなく、「自分の仕事相手」とも考えられてしまうのかもしれません。
たとえ同じ愛護団体で活動するメンバーであっても、いらないものはいらないとはっきり断るようにしましょう。そういうお付き合いは愛護団体としても好ましいものではありません(愛護団体には、参加しているメンバーが怪しい仕事をしていないかどうかを把握することが求められているように思います)。
★団体なのに個人の考えで活動する人 どのような活動内容であっても、「愛護団体としてはこう」といった活動指針のようなものがあるものです。けれども、それを無視して自分の考えで動いてしまう人というのが、たまにいらっしゃいます。
自分にものすごく自信のある方がいました。私も裏づけのない自信を多く持つ奴ですし、自分の人生においては自分が主役だと思っていますけれども、この人の自信は私の比ではありませんでした。大勢で活動する愛護団体での活動という場であっても、この人は「自分の考えがすべて」という考え方しかしなかったんです。
愛護団体というのは団体で行動する場ですから、一人の意見に従うのではなく、愛護団体のメンバーの意見を聞いて、愛護団体としてどうするかを決めていきます。でも、この人の考えでは自分の考えが優先されるべきものであり、愛護団体としての考えを受け入れることはありませんでした。
そして、愛護団体の一員として活動しているにも関わらず、一人で独走するようになりました。一人で活動しているならば、独走するのは問題ではないのでしょう。でも、団体の中にいて一人で独走すると、団体に迷惑をかけることになります。案の定、この人が独走していた活動に関係する機関からこの愛護団体に問い合わせが来てしまい、愛護団体に迷惑をかけるようになってしまいました。
愛護団体には、いろいろな人が参加されています。中には、愛護団体の趣旨とは違う活動をしたいと思っている人もいるかもしれませんし、団体で活動するということを理解していない人もいるかもしれません。同じ愛護団体の仲間だからと無条件に信頼するのではなく、愛護団体の趣旨に即した活動を、ほかのメンバーともめることなく行っている人かどうかをまずは判断しましょう(愛護団体の趣旨の理解や団体行動のルールなどをメンバーに理解させることが、愛護団体には求められているのかもしれません)。
なお、一人で独走していた人は、その後この愛護団体をやめ、ほかの愛護団体に参加されましたが、そこも長続きしなかったようで、いろいろな愛護団体に参加してはやめてを繰り返しているようです。
★おまけ 愛護団体を利用するときにチェックしたいこと あまりうれしくないことですが、私がこれまでに見てきた「なんだこりゃ?」と思った愛護団体のケースをいくつか紹介します。愛護団体で活動するつもりはなくても、利用する必要が発生したときに、被害を受けないようにしてください。
・去勢/避妊手術費用を二重に受け取っている愛護団体
ある新しい飼い主を探す活動をしている団体では、新しい飼い主を探しているペットを持ち込んだ人と新しい飼い主になる人の両方から去勢および避妊手術にかかった費用をもらっていました。持ち込んだ人も新しい飼い主になった人も自分たちが記入する書類しか見ないのでわからないのだと思いますが、両方見るとどちらにも去勢および避妊の手術代金が請求されていて、1回しかできない手術の費用を2回分もらっているということがわかります。持ち込んだ人、または新しい飼い主に会うことができないといわれた場合には、かかる費用に問題がないかどうか確認するといいと思います。
・里親を探すと預かり金つきで引き受けた犬を他団体の施設に捨てていた人(団体)
これはまた別の新しい飼い主を探す活動をしていた団体なのですが(今はもうない団体です)、新しい飼い主を探している犬を持ち込んだ人からは預かり金として数万円いただき、預かった犬はほかの愛護団体の施設に捨てに行っていました。もし有償で預かると言われた場合は、預かりの施設を見学させてもらうようにしましょう。
・よそのブースに募金した人に「うちにもしろ」とせまる団体
動物愛護週間などにあるイベントでは、いろいろな愛護団体が参加しており、募金箱を置いてあるところもときどきあります。そういった場所で、1つの募金箱に募金したところ、その向かい側にいた愛護団体が「うちにも募金しろ」とかなり強烈にせまってきたという苦情が、そのイベント主催者に入ってきたことがありました(同じ場所でイベントに参加していながら私はこの事件にまったく気がつかず、イベント後に主催者から知らされて驚いていました)。
あまりこういうケースはないと思うのですけれども、たった10円の募金でも嫌な思いをしてしまうおそれがありますので、募金は目立たずにする方がいいのかもしれません。また、似たような被害にあったらすぐにイベント主催者に連絡してください。